やってみせる」が、いちばん伝わる理由

こどものいいところ発見

「やってみせる」が、いちばん伝わる理由

――耳からの情報が入りにくい子の話

前回のブログでは、
すまいる・キッズが大切にしている
「やってみせる」から始まる教室づくりについて書きました。

実はこの「やってみせる」という関わり方は、
耳からの情報が入りにくい子にとって、
とても大きな意味を持っています。


言葉での説明が、届きにくい子がいる

発達特性のある子の中には、

・話を聞いていないように見える
・説明したはずなのに動けない
・何度も同じことを聞き返す

そんな姿を見せる子がいます。

でもそれは、
理解する力が弱いからではありません。

耳から入った情報を、
頭の中で整理して、行動に変えることが難しい

ただそれだけのことが多いのです。

言葉は、流れて消えてしまう情報。
一度にたくさん聞くほど、
「何からやればいいのか」が分からなくなってしまいます。


だから、先に「見せる」

固いブロックが外れなくて困っている子がいたとき。

「こうやって外すんだよ」と説明する前に、
まずこちらが外してみせる。

外して、そっと手渡す。

このとき、
言葉はほとんど必要ありません。

目で見て、
手の動きを見て、
「こうすればいいんだ」と分かる。

耳からの説明よりも、
目で見た情報のほうが、まっすぐ届く子がいるからです。


あいさつも、言葉より先に

教室に子どもが入ってきたとき。

「挨拶しなさい」と言葉で教えるより前に、
こちらから笑顔で声をかけます。

「おはよう」
「こんにちは」

子どもたちは、
言葉そのものよりも、

・表情
・声のトーン
・体の向きや視線

から感じ取っています。

実は、人は言葉の内容そのもの以上に、
こうした「言葉以外の情報」から、相手の気持ちや、その場の空気を受け取っている
と言われています。

心理学では、この考え方を「メラビアンの法則」と呼ぶことがあります。

特に、
耳からの情報が入りにくい子や、
発達特性のある子ほど、
言葉で説明される前に、

「この人は安心できそうか」
「ここは大丈夫な場所か」

を、表情や声の調子、体の向きから
先に感じ取っています。

だからこそ、何を言うかよりも先に、
どう立っているか、どんな表情でそこにいるかを大切にしています。

その“空気”が、子どもたちにとっての最初のメッセージになるのだと、私たちは感じています。

それを、まず大人が体で見せる。


声を出していい空気も、見せてつくる

「元気に話しなさい」と言われても、
どうすればいいか分からない子がいます。

だから先に、
こちらが大きな声で、はきはき話します。

それは、
テンションを押しつけるためではありません。

「ここでは、声を出していい」
「自分の言葉で話していい」

その空気を、
説明ではなく、行動で見せているつもりです。


「やってみせる」は、理解のためだけじゃない

「やってみせる」という関わりは、
手順を分からせるためだけのものではありません。

・助けてもらっていい
・失敗してもいい
・分からないと言っていい
・ここにいていい

そうした 教室の空気そのもの を、
言葉より先に、体で伝えること。

耳からの情報が入りにくい子ほど、
この「空気」を先に感じ取ります。


子どもが動く前に、大人が動く

子どもに求める前に、
まず大人が動く。

説明する前に、
まず見せる。

それが、
すまいる・キッズの考える
「やってみせる」です。

やって見せる以外にも

体験では特に、今日やることの順番をパソコンの画面やイラストで見せてみたり。
言葉で説明するときには、これから話すよ! の合言葉を言ってから、手短に伝える。
同じことを2回連続で伝える。そんな工夫もしています。
テキストや設計図を指さしながら、説明をしたりとか、そのこのレベルや理解度、特性に合わせて使い分けています。

今日も教室では、
耳ではなく、目と体で伝える
小さな「やってみせる」を、積み重ねています。

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