教室日誌|4年間を振り返って見えてきた、静かな歩みの確かな力
前回の記事では、
Rくんの卒業制作の過程を通して感じた成長について書きました。
完成した作品だけでは見えないこと。
迷いながら考え、少しずつ形にしていく中にこそ、
子どもの大切な成長が表れることがある。
そんなことを、あらためて感じさせてもらった卒業制作でした。
今回は、そこからもう少し視点を広げて、
Rくんの4年間を振り返りながら感じていることを書いてみたいと思います。
こんにちは。
こどもプログラミング教室 すまいる・キッズのとどちゃんです。
静かな中にあったRくんらしさ
Rくんは、ふだんから言葉数の多いタイプではありませんでした。
無駄なおしゃべりをするわけでもなく、
必要以上に自分を大きく見せることもありません。
でも、その静かな姿の中には、
まじめさや落ち着き、
そして自分のやるべきことにしっかり向き合う姿勢がありました。
ただおとなしい、というのとは少し違います。
地に足がついていて、
自分のペースを大切にしながら、
黙々と積み重ねていく。
そんな印象のある生徒さんでした。
だからこそ、レッスンの中でも、
言葉は多くなくても、
真剣に取り組んでいることがよく伝わってきました。
そして、ふだんはあまり多くを話さないRくんですが、
卒業プレゼンテーションでは、
しっかり通る声で、自分の作品について発表してくれました。
その姿を見て、
これまで積み重ねてきたものが、
ちゃんとRくんの中で力になっているのだと感じました。
正確に積み重ねる力
Rくんは、もともと
テキストを見ながら内容を正確にトレースすることがとても上手でした。
毎回のレッスンでも、
しっかり集中して取り組み、
かなりよいペースで進んでいました。
時間を余らせて終わることも多く、
新しいことをきちんと学び、
吸収していく力を持っている子でした。
まじめに取り組むこと。
決めたことをきちんとやること。
そうした土台がしっかりあったからこそ、
Rくんは4年間の中で、
着実に力を積み重ねていけたのだと思います。
ゼロから作る難しさにも向き合ったこと
ただ、学んだことを正確に再現する力と、
自分の知識や技術を使って
ゼロから何かを作る力は、また少し別のものです。
最初はどこを目指せばいいのかもはっきりしない。
何をどう組み立てればいいのか迷う。
思うように進まず、手が止まることもある。
教材通りに進める学びとは違って、
ゼロから作ることには、
苦しさも、迷いも、時間も必要です。
今回の卒業制作には、
まさにそうした難しさがありました。
それでもRくんは、
そこから逃げずに向き合いました。
すぐに答えが見えなくても、
少しずつ考え、
少しずつ試し、
時間をかけながら形にしていったのです。
その姿を見て、
Rくんの中にある粘り強さや誠実さを、
あらためて強く感じました。
競技会や受験の中でも、歩みを止めなかったこと
昨年の夏のロボット競技会でも、
Rくんは自分の目指すところを決めて、
しっかり時間をかけて取り組んでいました。
妥協せず、
うまくいかないことがあっても、
黙々と頑張り続ける姿が印象に残っています。
そして今回の卒業制作は、
そんな競技会とはまた違う意味で、
長い時間をかけて向き合う挑戦だったと思います。
途中には、プログラミング能力検定の準備もあり、
さらに高校受験も重なっていました。
卒業制作だけに集中できる時期ばかりではなかったはずです。
それでも、その時々でやるべきことと向き合いながら、
少しずつ積み重ねて、最後まで形にしていきました。
しかも受験では、見事に甲専に合格。
大切な時期をひとつひとつ乗り越えながら、
卒業制作にも向き合い、やりきったことに、
あらためて大きな価値を感じています。
好きなことを話す時の明るさ
ふだんは落ち着いたRくんですが、
友だちとゲームのことを話している時には、
とても楽しそうで明るい表情を見せることもありました。
その姿を見るたびに、
Rくんの中にある
「好き」へのまっすぐな気持ちや、
自分なりの楽しさを大切にしていることが感じられて、
こちらまでうれしくなったのを覚えています。
静かな子、というだけではなく、
好きなことに出会った時には、
しっかり熱を持てる子。
そんな一面も、Rくんの大きな魅力でした。
お母さまとのやり取りの中で感じたこと
今回、お母さまとのやり取りの中にも、
Rくんらしさを感じる場面がありました。
卒業制作は9月から少しずつ進めてきたのですが、
お母さまから
「一体どんなものを作っていたのか知らなかったので、楽しみにしています」
というご連絡をいただきました。
その一文を読んだ時、
とてもRくんらしいなと感じました。
きっと日々の中で、
必要以上にあれこれ語ることなく、
自分の中で黙々と制作を進めていたのだと思います。
また、発表前には
「メモを見ても構わないのでしょうか」
と、お母さまから丁寧なご連絡もいただきました。
ご家庭でも静かに見守りながら、
応援しておられたことが伝わってきて、
あたたかい気持ちになりました。
教室での学びが、これから先へつながっていたこと
そして発表のあとには、
とてもうれしいご報告もいただきました。
学校のクラスの自由発表の時間に、
Rくんがプログラミング教室で今まで学んできたことを発表したこと。
さらに、これからはプログラミング言語を学んだり、
パソコンを組み立てたいとも話していること。
そして、
「やりたいことが見つかり、私も嬉しいです」
というお母さまのお言葉もありました。
そのご連絡を読んで、
私は本当にうれしくなりました。
教室で積み重ねてきた時間が、
卒業プレゼンテーションの一日だけで終わるのではなく、
Rくん自身の中に、
これから先につながっていく興味や意欲として根づいている。
それを感じられたことが、何よりうれしかったのです。
作品の完成と同じくらい大切なこと
作品が完成したこと。
発表をやりきったこと。
それはもちろん素晴らしいことです。
でも、それと同じくらい大切なのは、
好きなことが見つかってきたこと。
自分の中に次の目標が生まれてきたこと。
そして、学んできたことを
自分の言葉で外に出せるようになってきたことだと思います。
子どもの成長は、
目に見える結果だけでは測れません。
静かに積み重ねてきた時間。
自分なりに考え、迷い、工夫してきた時間。
そして、その先に
「これをやってみたい」
という気持ちが芽生えてきたこと。
そうした一つひとつも、
とても大きな成長なのだと思います。
4年間を見届けられた幸せ
小学校6年生からの4年間、
Rくんの成長を見届けることができたことを、
私は本当にうれしく、幸せに思っています。
Rくんは、決して自分を大きく見せる子ではありませんでした。
でも、その静かな歩みの中には、
たしかな成長と、まっすぐな積み重ねがありました。
だからこそ、
今回の卒業プレゼンテーションは、
作品そのものだけではなく、
その4年間の歩みまで感じられる時間になったのだと思います。
ここから先、Rくんがどんなふうに自分の「好き」を広げていくのか。
どんなことに挑戦していくのか。
その続きを思うと、今からとても楽しみです。

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