「期待」は魔法のような力を持っている
〜ピグマリオン効果と子どもたちの“まなざし”の話〜
子どもって、
言葉よりも、ずっと深く「まなざし」を見ていると思いませんか?
たとえば、
「がんばってるね」と言いながら、目がスマホを見ていたら……
その子は、「本当は思ってないな」って感じ取ってしまいます。
逆に、
一言もなくても、にっこり目を見てうなずいてもらえたら——
「わたしのこと、ちゃんと見てくれてる」って、心の中にぽっと火が灯るんです。
◆ ピグマリオン効果って?
ちょっとだけ、お勉強っぽい話になりますが……
「ピグマリオン効果」ってご存じですか?
これは、ギリシャ神話に出てくる彫刻家「ピグマリオン」の物語から来ている言葉です。
ピグマリオンは、自分の作った女神像に恋をして、
その愛があまりにも深かったことで、
その像が本当に人間になったという伝説があるんです。
この神話をもとに、心理学では
「人は、周囲からの期待に応えようとする」
という現象を「ピグマリオン効果」と呼びます。
実際に有名な実験でも、
教師に「この子は将来伸びる」と伝えられた子どもたちは、
本当にグングン伸びていったという結果が出ています。
◆ 「期待してるよ」は、言葉じゃない
でもね、「期待してるよ」って言葉だけでは、
子どもの心には届かないこともあるんです。
とどちゃんが大事にしているのは、こんな関わりです:
- 名前をちゃんと呼ぶ
- 朝「おはよう」と目を見て伝える
- 失敗しても「大丈夫」と寄り添う
- できなかった時にこそ「挑戦したね」と声をかける
- そして、何よりもその子の存在を信じる
これこそが、いちばん本物の「期待」じゃないかなって思っています。
◆ 存在をまるごと「認める」こと
勉強ができるとか、走るのが速いとか、そういう「できたこと」だけじゃなくて——
「あなたが、あなたとして、そこにいる」
それだけで、もう十分に尊い。
こどもたちはそれぞれに、個性をもっています。
普通なんて、いろんな軸の極端に振った子たちの平均像でしかありません。
とっても繊細な子も、ちょっと反発したくなっちゃう子、
ついついさぼってしまう子も、集中がすぐに切れてしまう子も
できないことを見せたくない子……
どんな子にも
「あなたの存在、まるごと大好きだよ」
って伝えていきたいなぁと思います。
◆ とどちゃん教室の“まなざし”
とどちゃんの教室では、
子どもたちの「いいところ」を見つけて、いっぱい伝えています。
でも、それだけじゃないんです。
「その子がその子らしくいてくれること」を、何よりも大切にしています。
子どもたちはそれぞれに、いろんな個性を持っています。
うまくいくときも、そうでないときもある。
それでも、どんなときでも、こう思うのです。
「きみはきっと大丈夫」
「そのままで、十分すてきだよ」
◆ 最後に:子どもたちに伝えたいこと
もし今日、
「うまくできなかった……」と肩を落とす子がいたら、
そっとこう伝えてあげてください。
「うまくいかなくてもいいよ。」
「がんばったこと、ちゃんと見てたよ。」
「あなたのこと、信じてるよ。」
その言葉が、
きっとその子にとってのピグマリオンの“魔法”となって、
未来への扉をそっと開いてくれるかもしれません。
どうぞ、
子どもたちの「今この瞬間の存在」を、
あたたかく、まるごと受けとめていけますように。
それが、とどちゃんが一番信じている「魔法」です。
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