「人を動かす」のパート4を通して、子どもとのコミュニケーションを考える
デール・カーネギー氏の名著「人を動かす」では、PART1からPART4まで「人を動かす」ための具体的な言動が紹介されています。PART4の「人を変える9つの方法」を通して、日頃の子どもとのコミュニケーション、特に「声掛け」を見直してみました。
これらの方法を子どもたちとのコミュニケーションに応用すると、彼らの自信を育て、成長をサポートするためのヒントが多く含まれています。普段の教室で意識している具体的な声掛けのポイントを、9つの方法に沿って紹介します。
1. まず、褒める
- 「今日のレッスンでは、タイヤをしっかりと取り付けて、すごく安定してたね。細かいところまで気を配れたのが素晴らしいよ。」
- 「プログラムを走らせたときに、ロボットがちゃんと動いた瞬間の笑顔が最高だったね。頑張って作った成果が出てて、よかったよ。」
- 「授業の最初はちょっと不安そうだったけど、最後まで集中してできてたね。すごく成長しているよ!」
2. 間違いを遠回しに指摘する
- 「このプログラム、もう少し工夫してみるともっとスムーズに動くかもしれないね。一緒に考えてみようか?」
- 「タイヤがちょっとずれてるみたいだけど、ここを調整したら動きが安定するかもね。やってみる?」
- 「プログラムが途中で止まっちゃったみたいだね。何が原因かな?もう一度一緒にみてみようか?」
3. 自分の過ちを先に認める
- 「先生がさっきの説明、少しわかりにくかったかもね。もう一度、わかりやすく話すから一緒にやってみよう。」
- 「あーごめん、間違えてプログラムを組んじゃったみたいだね。一緒に正しいコードを考えて直そう!」
4. 命令しないで、質問する
- 「この部分を別の色にしたら、どう見えると思う?試してみたくない?」
- 「このロボット、もう少し動きを速くしたいけど、どうやったら速くなるかな?考えてみて。」
- 「プログラムの動きを変えるには、どのボタンを押したらいいと思う?」
5. 相手の面子を保つ
- 「みんなの前ではなく、ここでちょっと話そうか。さっきのところ、もう少しだけ改善したいんだ。」
- 「発表中に困っちゃったところがあったね。でも大丈夫、次のチャンスがあるから一緒に練習しよう。」
- 忘れ物をよくする子の保護者さんに、「僕もいまだに忘れ物王なんですよね~」と話し、保護者さんを通して、忘れ物をして極端に落ち込んでいる子どもにも届くように伝える。
6. 小さな進歩を称賛する
- 「今日は、前回よりもスムーズにロボットを動かせたね!細かい操作が上手になってきてるよ。」
- 「前はプログラムの組み立て設計図を見るのが難しくてヘルプを使ったけど、今はちゃんと自分の力で頑張ったね。すごく成長したね、頑張ったね!」
- 「タイヤのゴムの取り付けがすごく早くなったね。硬いのにできることが増えてきたね。」
7. 相手に評判を与える
- 「〇〇くんが使ってたプログラムの方法、みんなに教えてあげて。すごく上手にできてたから、参考になると思うよ。」
- 「今、とどちゃんに聞いた方法、いい方法見つけたね。すごく効率的だったね。」とみんなに聞こえるように。
- 「今日のリーダーやってくれる人。」(リーダーやりたくてうずうずしている子へのお手柄を渡す)
ここでの声掛けもその時のメンバーによっては、ほかの子が褒められてことに、「マウント」を仕掛ける子や、比較して「自分をさげすむタイプの子」がいるレッスンの中では安易に使えないですね。
場の空気を大切にしたいところです。
8. 励ましを与え、能力を引き出す
- 「昨日はうまくいかなかったけど、今日は少しずつ良くなってるよね。次もその調子で続けてみよう!」
- 「難しい課題だけど、絶対できるよ。焦らずに一歩ずつ進めてみようね。」
- 「ここまでできたんだから、きっと最後までいけるよ。困ったらいつでも先生に聞いてね。」
9. 相手が提案したように見せる
- 「ねぇ、今日のレッスンの中で気づいたことがあったら今のうちに発表シートに書いておこうね。」
- 「どんなロボットを作りたい?」と子どものアイデアを聞いて、実際には少しサポートしながらも「これ、君の考えで作ったね!」と称賛する。
- 「〇〇クン、10分休憩ルールって知っている?」(集中できずにぼーっとしたり、脳内が別世界にいっている子への声掛け、自分から休憩していいですかと提案してもらう。)
最後の9番目の「特に10分休憩ルール」が必要なお子さんには、安心して挑戦できる環境作りが本当に大切でよね。
押し付けてもいやになるだけですから。
少しずつ成功体験を積んでいけるように支え、温かく見守ることを心がけています。
『これらの9つの方法を眺めてみると、普段からいろいろ考えて、その子に合う言葉と切り口を考えて行動していることが分かります。特に9番目の「相手が提案したように見せる」は、一つの声掛けにまとめられない複雑さがありますが、様々な声掛けを通じて、子どもたち自身が行動を起こすきっかけを作ることができます。
これらの声掛けを通じて、子どもたちが自信を持ち、楽しく学べる環境を作っていきたいと思います。毎回の小さな進歩を見逃さずに、励ましとサポートを続けていくことが、大切ですね。
「人を動かす」の9つの方法を意識することで、日々のコミュニケーションがより効果的になり、子どもたちの成長をより良くサポートできることがわかりました。これからも、一人ひとりの子どもに合わせた適切な声掛けを心がけ、彼らの可能性を最大限に引き出していきたいと思います。』
そしてもう少しこのテーマを深堀りしてみようと思いました。
(追記)
この春に就職した長男に「人を動かす」と「マンガ版人を動かす」を内定のお祝いにプレゼントしたのは1年と少し前
いまは会社の近くで一人暮らしですが、この本2冊いまだに家のリビングに積んだままですね。いつか気づいて(^^)/
コメントをお書きください