にぎやかさんから知性派へ。Hくんの3年間の成長ストーリー
「ねぇねぇ、聞いて!」
「きいて~やぁ〜!」
「それ、おれのアイデア!」
「オレが考えたゲームしようやぁ!」
「それ、ちがうと思うよ〜!」
「なんでぇ〜 おれ勝ったやん!」
そんなふうに、周りの子たちの気を引こうと、明るく元気に、ちょっぴりおちゃらけた様子で、いつも教室を楽しんでいたHくん。
すまいるキッズに通い始めたのは、もう3年ほど前のことです。
最初のHくんは、とにかく 「にぎやかさん」
誰かの会話にちょこんと首を突っ込んでは、「ねぇ、ぼくも!」と参加しようとしたり、
みんなを巻き込んでロボットバトルや即興のゲームを始めたり。
それはもう、にぎやかで、Hくんが来ると教室の空気がパッと明るくなるのが、日常でした。
そして何より、人懐っこくて素直。
みんなが先に帰ってしまうと、ぽつんと寂しそうな顔をしていたのが印象的で、
その姿に、私たちスタッフも何度「かわいいなぁ」と笑顔になったことでしょう。
でもそれは、ただ目立ちたかったからではなくて、
Hくんなりの「つながりたい」「ぼくを見てほしい」という気持ちの表れだったのです。
そのまっすぐさと、少しユニークな表現の仕方。
それこそが、Hくんの持つ大切な個性でした。
彼がすまいる・キッズの仲間になって、まもなく3年。
いまではより高度な上のクラスにも進級しんなHくんも、ぐんと“お兄さん”らしくなりました。
パソコンの画面にじっと向き合いながら、自分の考えを整理して、
ときどきぶつぶつと独り言を言いながら、プログラムのバグをじっくり検証しています。
「なんでこうなるのかな?」と焦らず、慌てず、
論理的に物事を考える力が、確かに育ってきています。
少しテストしては、エラーの原因をしっかり見つけて、サッと修正。
そしてまた次のチェックへ。
その繰り返しの中に、Hくんの「考える力」と「あきらめない心」がしっかりと根を張っているのを感じます。
正直、少し前のHくんとは、まるで別人のように見える瞬間さえあるんです。
でも、ふとしたときに見せる無邪気な笑顔や、楽しそうに冗談を言う声のトーンには、
あの頃のHくんの面影がちゃんと残っていて、なんだかホッとするんです。
高学年になった今、
「自分らしさ」をそのままに、新しい力を育てているHくん。
以前は外に向けてばかりだったエネルギーを、
今では少しずつ、自分の内側に向けて活かせるようになってきました。
それは、彼にとってとても大きな成長です。
子どもって、ほんとうに内にしっかりとした「芯」を持っているんですね。
ちゃんと、自分で「こうなりたい」という方向に向かって、伸びていける力を持っている。
私たちはその姿に、ただただ感心させられるばかりです。
そして、しみじみ思うのです。
Hくんを見ていると、「いいところがちゃんと伸びているなぁ」と。
それはひとえに、いつもそばで見守っている保護者様の深い愛情が、しっかり伝わっているからこそ。
教室でどんなに良い関わりがあっても、それを家庭で受け止めてくれる存在がいること。
それが、子どもの“本当の成長”につながっているのだと感じています。
📬 最後まで読んでくださって、ありがとうございます。
もし、あなたのそばにも「にぎやかでおもしろい子」がいたなら――
その子が持っている“まだ見ぬ可能性”が、きっとすぐ近くで芽を出しはじめているはずです。
それは、今かもしれませんし、もう少し先かもしれません。
でも、ふと「今かな」と感じたそのときが、その子にとっての“始まりの合図”なのかもしれませんね。
コメントをお書きください