「HELPボール」で広がる“助けて”の文化 〜自信の種を育てる教室〜
「HELPボール」で広がる“助けて”の文化
〜自信の種を育てる教室〜
「先生、ボールは何個まで使っていいの?」
「ぼくは1個でいいよ!」
「え〜足りないかも〜!」
レッスンが始まる前の、教室でのこのやりとり。
これは、私たちの教室で導入している「HELPボール」のひとコマです。
そして
「ブロックが固い時には 助けてといってね」
「困ったときにはどうする」と聞いて
「とどちゃん ヘルプ って」いう
そんな場面が当時します。
■「助けて」を出す練習から始まるレッスン
特に低学年の子どもたちには、「うまくできない」「わからない」を素直に言うことが難しい子が少なくありません。
失敗するのが怖い、
できないと思われたくない、
「助けて」と言うことに抵抗がある…。
でも、子どもたちは本当はみんな、助けを求める勇気を持っているんです。
だから私たちは、レッスンの始まりにこんなふうに問いかけます。
「今日、HELPボールいる人〜?」
この一言で、子どもたちの表情がふっと明るくなるんです。
HELPボールは、「困ったときに助けてと言っていいよ」という合図。
この小さなボールがあることで、「困っていい」「助けていい」という空気が、教室全体に自然と広がっていきます。
このヘルプボールはひとつアイコンです。
ヘルプをだしていい空気つくりのアイテムです。
■「困ること」は成長のチャンスに
ロボット制作のパーツの中には、低学年の子どもたちには少し固くて、なかなか外れないものもあります。
でも、それこそが「HELPを出す」練習の絶好のチャンス。
そう伝えると、子どもたちは「困ること=ダメなこと」ではなく、
「困ること=挑戦の入り口」として捉えられるようになっていきます。
実際にHELPが出たときには、固いブロックを外すためにリムーバーの使い方を一緒に確認したり、
その子の様子や性格に合わせて「もう少し頑張ってみる?」と声をかけたり、
そっと隣に座って一緒に考えることもあります。
HELPは単なる「手伝って」ではありません。
それは、子どもたちとのコミュニケーションの入り口。
だからこそ、出してくれたHELPにどんなふうに応えるかを、私たちはとても大切にしているのです。
■「助けて」が言えた先にあるもの
HELPボールは、ただの“便利グッズ”ではありません。
それは、子どもたちの「自分の気持ちを伝える力」を育てる道具。
- 困ったことを抱え込まずに言える力
- 人に頼れる安心感
- 誰かと一緒に考える経験
ロボットが完成することよりも、
「助けて」が言えたこと、
誰かと一緒に乗り越えたという成功体験こそが、子どもたちの心に残る宝物になります。
小さな“助けて”の経験が、やがて子どもたちの大きな自信となり、
「できないかも…」を「やってみたい!」に変えていくのです。
「HELPを出していい」
「誰かに頼っていい」
その安心感を、子どもたち一人ひとりの心に。
これからも、そんな優しい学びの場を大切に育てていきたいと思っています。
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